副業を超えたネットオークションのプロ

副業でしかないはずのネットオークションで、年間500万円以上の粗利をかせぐツワモノがいるという。
KAZUさんといい「オークション起業講座 ~服の販売でパワーセーラーになる」という自費出版もされているという。
自宅にある要らないものの出品から始まり、今ではデパートのバーゲンやフリマめぐりで売れそうなものを仕入れ、時には海外の問屋との取引も行うことがあるそうだ。
オークションのノウハウに関して講演やコンサルティングの依頼も多いとのことで、どうも「副業」の域を脱した達人と思われる。
あるインタビューでこのKAZUさんが、こう話を締めくくっていた。
「オークションはほとんどノーリスクなうえ、自分の腕と才覚で売り上げを伸ばしていくことができます。仕事のスタイルも自由。ビジネスマンの週末起業にはうってつけでしょう。お客さんから喜びのメールをいただいたときは、つくづくオークションを始めてよかった、と実感しますね。」(藤井孝一の週末起業のすすめ)
どんな世界でも、成功した人の自信は並々ならない力強さがある。
動脈流通(物流)と静脈流通という言葉がある。
動脈は心臓から末端に行く流れで生産から消費の流れをいい、静脈は末端で消費されたものが心臓(=再生)に戻る逆の流れをいう。
中古やリサイクル市場、そしてその現代的な形としてのネットオークションやフリマなどは、完全に静脈物流の一つだと考えてきた。
しかしネットの世界にKAZUさんのような達人が数多く輩出されてくると、オークションは果たして「静脈」なのか怪しくなってくる。
サラリーマンが皆KAZUさんのような達人になった世界は、奇妙で恐ろしい世界とも想像されてしまう。
動脈の流れと静脈の流れが適度に行きかうことで、経済社会はバランスよく発達するものではないか、などと考えてしまうのは副業年収500万円へのひがみなのだろう、きっと。