Googleドライブ、ChatGPT、Claris Connectで試作した「名刺管理」

「名刺」という仕事上の道具があります。
日本の商慣習の中でなくてはならないもので、私も持ち忘れた時などなんだか落ち着かない気分になります。
それほどこの「名刺」という代物は、得体のしれないSOMETHINGとして定着しています。

この名刺を道具に創業し、大企業にのし上がったのが、かのSansan社ですね。
創業当初はあの「孤独のグルメ」の五郎さんがCMにでていたのがなんだか懐かしい。

かくいう弊社も2年ほどSansan社の名刺管理システムにお世話になっていました。
専用のスキャナーで名刺を読み取ると、ほどなくして管理システムにOCRがきれいにデータ化してくれます。

しかしこのシステムは年間で20万円以上かかるので、契約を終了した後どうするか1年くらい悩んでいました。

OCRで読み取った後のデータ管理であればFileMaker PROで十分可能ですし、検索システムやメール送信連携も簡単に実装できます。

しかし問題は画像からテキストを抽出する読み取りの部分をどうするか?でした。
OCRスキャナーは高いし、iOSアプリにも適当なものがない。

そんなとき、GoogleドライブにOCR機能があり、最近流行りのAI・ChatGPTにテキスト補正機能があることを知りました。
FileMakerとこれらを連携させることで何とか自動化できるかもしれない、と考えそれにはClaris社が最近力を入れているClarisConnectが役に立つかもしれないと1週間ほど前にメンバーのNK君に依頼してみたところ、下記のような構造図を作ってくれました。

まずiPHONEで名刺を撮影し、GoogleFormsからGoogleドライブにアップすると画像からテキストを抽出してくれます。
次に抽出されたテキストデータをClarisConnectに送ると、ClarisConnectがChatGPTに整形を依頼します。整形とは、Googleから抽出されたデータを補正し、このテキストは「名前」これは「会社名」等とAIが整頓してくれる機能です。
最後にFMクラウド上の名刺管理データベースに情報を送り込んで終了ですが、撮影から1分ほどで全工程が終わりFileMaker上で新しく作成されたレコード確認することができます。

読み取りと整頓の精度はSansan社のシステムほど完ぺきではありませんが、費用は基本かかりません(正確にはChatGPTの処理に1回あたりコンマいくら円かかるようですが)。

まずiPhoneで名刺を撮影します。
次にGoogleFormを使い画像をドライブにアップします。
エンドユーザーの操作はこれだけです。

エンドユーザーの使い方は、名刺を撮影しGoogleFormから画像をドライブにアップするだけです。

あとはシステムが勝手にOCRし、ChatGPTが補正し、ClarisConnectがFileMaker PROデータベースに格納してくれます。

この間、何とかAPIとかJSONとかが働いているようですが、御年67の老獪には中身は全くわかりません。
とうぜん自分では作れません(笑。

しかしこの件で思ったことは、ChatGPTはやはりただものではない、ClarisConnectもなかなかということ。

ソフトウエア開発もゴリゴリコードを書く時代から、「知恵と工夫でやりくりするノーコードの時代」へと本格的に移りつつある、ということです。

結果出来上がったFileMaker PROの画面が下記となります。TEL、FAXの頭の「0」が欠損していますが、後でFileMaker上で補正すればOK。
いわゆる「名刺らしい名刺」の正解率は高いですがデザイン化された名刺には弱いようです。