ナショナルジオグラフィック展を見てきました

どこからいただいたものか忘れてしまいましたが、「ナショナルジオグラフィック展」の招待券があったので高崎市美術館に行ってみました。

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「ナショナルジオグラフィック協会」は、発足後125年の長きにわたって地球とそこに暮らす生き物(人間はそのうちのたった一つの種!)を、写真と文章で伝えてきた非営利の科学・教育団体だそうです。
そんな協会が発行している「ナショナルジオグラフィック誌」は、商業主義本位の写真誌とは違う格式のある月刊誌で、これまでに数多くの地球や人類文化への格調高い賛歌、時にはセンセーショナルな警鐘ともいえる写真を掲載してきました。

今回の「ナショナルジオグラフィック展」では、125年の中で蓄積された1000万点を超える写真の中から、選りすぐりの180点を展示しているそうです。

実をいうと、「ナショナルジオグラフィック」といえば「マディソン郡の橋」に出てくる、あの最後のカーボーイがカメラマン契約をしている出版社かな?、という程度の認識しかなかったのです。(相変わらずの厚顔無恥な世間知らずに汗!)

アフガン難民の少女

アフガン難民の少女

 

動物行動学者ジェーン・グドール

動物行動学者ジェーン・グドール

展示された180点余りの写真をじっくり眺めていると、絶滅にひんする野生生物の現実、人類文化・科学と自然との関係など、今このタイミングで考え直さないと人類はおろか自然も地球も取り返しのつかなくなるような深刻なテーマにフォーカスしている作品が多く、けっこう考えさせられるものがありました。
ライオンやトラなど、自然生態系の頂点に君臨しているはずのネコ科大型猛獣の多くは絶滅の危機にあるそうです。
トラやライオンはあんなに強いのになぜ?
人間は生物的にはこんなに非力なのに、ここまで世界中に繁殖したのはなぜ?

ウナギが食べられなくなったら困る、などと能天気に嘆いている場合じゃないかもしれません。

多くの感動的な作品の中で、動物行動学者ジェーン・グドールと生後間もないチンパンジーを写した1枚があり、写真説明にはグドールさんはチンパンジーが「道具を使い、単純な問題を解く能力がある」ことを明らかにしたと書かれていました。
しかし、「問題を解く能力がある」と同時にチンパンジーには他の生物には見られない種の生存と直接関係のない「邪悪な心」「意地悪な心」の芽生えが見られるともあったことが印象に残りました。
(うろ覚えなので表現のニュアンスは違うかも?)

思えば、その誕生までさかのぼれば(137億年?)の地球の、歴史の最後の最後の瞬間に出現しあっという間に80億を超える個体の繁殖に成功した人類という種が、「問題解決能力」の象徴である科学技術を極限まで発展させ、邪悪な心をもって互いにエンドレスの殺戮を繰り広げているその萌芽が、「チンパンジーの問題解決能力」のなかに潜んでいる!、などと感じたりもしました。

つまり、地球最弱の生き物であるがゆえに人類はその生存のため「問題解決能力」と「邪悪な心」をスパイラルに、悪無限的に拡大させてしまった。
結果、21世紀になって出口のない隘路に迷い込んでしまってるのでは?

そんな人間なんだから、「集団的自衛権」は決して殺戮の歯止めにならないのだよ安倍クン!…なんて話を必要以上に敷衍してみたりして。

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