リサイクル支援事業のこと 2

××Offという本のリサイクルショップをよく利用する。
何か買うと元気な店員さんは、「また買ってくださいね」ではなく、必ず「お売りいただける本があれば…」と声をかけてくる。
この店は売ることが商売なのではなく、買うことが商売なのか(?)と一瞬戸惑いを感じたことがある。
東京の神田や早稲田界隈に昔からある古本屋には、必ず本の申し子のような「目利き」がいて、店の奥にどっかりと腰をおろしメガネの向こうから疑い深いまなざしを送っていたものだが…。
××Offをはじめとする現代の古本屋さんは、書物としての価値ではなく汚れの程度と発行された年だけを見てほとんど二束三文で大量に買い上げる。
書物に対する愛情や思い入れなどは、商売の邪魔になる余計なものというわけだ。
買わなくても「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」という元気で明るい店舗と立読み大歓迎という接客のスタイル、そしてアルバイトでも買取ができる完成されたマニュアルなど、これらがこの商売のブレークスルーだったのだろう。
古本業界という、停滞した業界に風穴を開けた企業家精神には、頭が下がるばかりなのだが…。