ちんけなタブレット男にまだ出番があったのか!半沢直樹第九話。近藤が窮地に!

前回、伊勢島ホテルの社長・専務と会ったことがないという極めてアナログな理由で、半沢に簡単にやられてしまったちんけなタブレット男。役柄の名前も記憶にないこの男だが、また第九話に登場したきた。
金融庁検査に備え「疎開資料」なるものを灯台元暗しの銀行内に隠していたところを、このタブレット男が突き止めた。 タブレット男は、地下2階の疎開資料の存在について金融庁と内通していた。しかし、このあたりは、話の本筋とは関係ない単なる半沢への個人的な恨みからの行動のようだ。

半沢は、伊勢島ホテルを救うにはナルセンエンジニアリング存続の鍵を握る外資・フォスターと手を組むしかないと考え、バブル入行同期の渡真利が裏工作を行い、同時に親友の近藤がタミヤ電機の線から大和田の不正を追いつめる。

ホテル再建のため、同族経営の歴史を断ち切り、フォスターの傘下に入ることを伊勢島ホテルの湯浅社長が決断し、半沢も金融庁検査を何とか乗り切ることができた。 一方、タミヤ電機の社長は近藤にすべてをあかし、大和田を中心にした悪事がいよいよ白日の下に暴き出されていく。

しかし、大和田との最終決戦はまだ最終回に残される。
大和田が最後の最後に頼っているのは、「銀行の人事」という極めて古典的な切り札のようだ。

半沢-渡真利-近藤、バブル入行組トライアングルの一角・近藤を「人事」で切り崩すことにより、延命工作を図ったのだ。

根室への島流しか銀行への復帰か、家族のこと…。様々なことをギリギリの状況の中で考え、近藤は大和田サイドに寝返った…。 そんなことが予告され、第九話は最終回への余韻を残して終わった。

ここで一言。

「銀行は人事がすべて」とはよく聞く言葉。
個人的には、もともと銀行とか役所とか、自らのリスクを最小化し他人の努力の霞をとってヌクヌクしている連中は大嫌いだった。 学校を出て就職するとき、まっさきに選択肢から消したのが銀行員と役人だった。
そして、そんな銀行や役所の「村社会」では、「人事がすべてを握る」ということは話として聞かされてはいた。

個人的知り合いの銀行員も、行内での「道ならぬ恋」を理由に、メインストリームから外され毎日つまらなそうに仕事をしていたが、いつのまにか出向とやらで銀行員ではなくなっていた。 しかし、酒の席でそんなことをつぶやく彼の顔は、人間臭く何かを吹っ切ったようなさわやかなものに見えたものだ。

「人事が全て」なら、半沢直樹の存在など銀行幹部にとってこれほど大きな禍根の種になる前に、簡単に取り除けたはず。このあたりは、ドラマ・フィクションだからというしかないが、「人事」がすべてを握る現実の銀行や役所の中では、もっともっと「見るに堪えない恥ずかしいドラマ」が日々展開されているのだろう。

最終回では、この「見るに堪えない恥ずかしい」部分に、すっきりした100倍返しを実現して欲しいものだ。

それにしても、TVドラマは楽しめても、池井戸潤の原作まで読もうという気持ちになれないのはなぜなのか?

きっと現実には、もっともっと「見るに堪えない恥ずかしいドラマ」があり、現実には半沢直樹などいないという直感がそうさせているのだろう。

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