「鉄道員」、イタリア映画

「鉄道員」をまた見てしまった。
半世紀も前のイタリア映画で、今ではTV中継が終わるような深夜に放送されることが多い。
中学の頃から何回も見ているので、これで何度目になるのかはわからない。
今年になってから、正月にも見た記憶があるのでこれで2回目となる。
でも、正月に見たTV局と今日の局はどうも違うような気がするのだが、定かに覚えていない。
この頃のモノクロのイタリア映画は、理屈ぬきにすばらしい。
世界大戦後の物質的には貧しい生活の中でも、仕事や恋、人生にまっすぐに生きている人間がよく描かれている。
映像にかぶるテーマ曲が、どの映画も哀愁を帯びていて心に迫ってくる。
制作費何十億円のハリウッドものもいいが、この頃のイタリア映画が与えてくれる感動には及ばない。
以前は、この種の佳作を選んで安く見せてくれる<名画座>が、街のあちこちにあったものだが…。
何回見ても「鉄道員」を見ると、切なくなってしまう。
特に50歳を前にした今の自分の境遇は、ピエトロ・ジェルミの演じる初老の頑固な鉄道員の暮らしと重なるようなところが多く、昔見たときとはずいぶん違う印象を感じる。
名作はいつ見ても、その時々に違う感動を与えてくれる。