「群馬初登場!」、茂木健一郎さん後援会の雑感。

何分ミーハーなもんで。

何分ミーハーなもんで。

茂木健一郎さんの講演会に行ってきました。伊勢崎の境文化センターなる場所でした。
「群馬初登場」ということだったので、「花子とアン効果」もありもっと人が集まるのかと思ってましたが、会場七分程度の入りでした。

開口一番、茂木さんは自分の父親が高崎出身者であることを吐露されました。
「自分もまったく群馬と関係なしというわけじゃないんだよ」という、講演冒頭の「掴み」ですねこれ。

次に、前日の仙台公演から伊勢崎の会場に来るために、新幹線を本庄早稲田で降りて境町まで歩いてなんと4時間10分かかったとのことでした(このあたり、いわゆる「変人」の面目躍如)。
道中感じた群馬の田園風景と空の大きさを、留学先だったイギリスのケンブリッジと比べ、大いに持ち上げてくれました。
まずは聴衆とのラポール形成に成功、といったところです。

講演内容そのものは、いうゆる「群馬仕様」で、1時間強のお話は雑談そのものでした。
(雑談が悪いと言っているわけではありません、念の為。雑談の気づき効果をおおいに評価していますゆえ)

印象に残ったのは、あの奇跡のリンゴの木村秋則さんのエピソードを借りた「苦労」と「情熱」の関係の話と、子供のころのご自身の体験をネタにした「ヤンキーとオタク」の相互啓発の話でした。

前者はマルクスの『経哲草稿』にあった、あの「受苦的=情熱的」という人間論の話だな、などと懐かしく思いながら聞いていました。
後者は、「毎日かったるいぜ! どこかにいい女いないかな! 金を設け、いい車に乗りたい!」という欲望の塊であるヤンキーと、「食い物はジャンクフードでいいけど、このプログラムコードのこの部分を何とかしたい!」という、欲望は極小でも重箱隅にこだわるオタクが、組織の中で互いに創発することでイノベーションが誘発される、という話でした。

この「ヤンキーとオタクの創発論」は経験的にも深く首肯でき、腑に落ちるものがありました。

よって質問タイムで、「互いにもっとも反目しあっているヤンキーとオタクを、どうしたらうまく創造的に融合することができますか?」などと、質問してみました。

茂木さんは、「群馬にもいやな奴がいるのか!」と感じてくれたでしょうか?
少し答えに困った様子。
回答は、「互いにリスペクトすること」とか「共感性が大切」という極めて一般的なものでした。

質疑タイムは限られていてかなりの数の挙手があったので、「大蔵省や東大は、10%程度のヤンキーを一芸の達人として採用したら!?」とか、「東大の一番優秀な奴を、毎年10人ほど自衛隊とかブラック企業に強制的に送り込んでみたら!?」とか、「茂木さんのように優秀で影響力がある方こそ、そんなことを具体化する立場にあるのでは!?」などと、くだらない妄想で茂木さんの時間を占領することは避けました。

ともあれ、「群馬初」の茂木さんの登場は、質疑3つで「粛々」「シャンシャンシャン」と終わりました。

小生はミーハーなので、当然サイン会に並びましたが、サインのために用意した30冊のご著書は直前で売り切れと成しました。
主催者の要請もあり、名刺交換と写真撮影しかできませんでしたが、しっかりと写メを取っておきました。

蛇足ですが最後に、主催者は極めて慇懃無礼に予定をこなすこととだけを考えているようで、あまりいい印象を持てませんでした。
また、主催企業の1社である群馬通商という会社は、この茂木健一郎後援会を皮切りに東京でしか聴けない質の高い一連の講演会を実施していくそうですが、そんな意欲的な企てにかける「気迫」や「思い」をほとんど感じることができませんでした。

たった3,000円也の講演会にお前はどこまで何を期待しているのか!、という声はあるとは思いますが、中年男の独り言も少しは何かの役に立つかもしれないので、晩酌の勢いを借りて書いておきたいと思います。

ともあれ、楽しいひと時を過ごさせていただきました。

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