麻酔記録を電子化しても、レイアウトは変わらない――手書きチャートとの共通点

麻酔記録の電子化を検討する際、「システムが変わったら、今まで慣れ親しんできた書き方や見方も、全部一新しなければならないのでは」という不安を持たれる方は少なくありません。長年手書きのチャートを使ってきた現場ほど、この不安は大きくなりがちです。

しかしpaperChartの場合、答えは「いいえ」です。画面のレイアウトは、実は手書きの麻酔チャートの構成をほぼそのまま踏襲しています。本記事では、紙の麻酔チャートとpaperChartの画面がどう対応しているのかをご紹介します。

手書きの麻酔チャートの構成

麻酔記録を手書きで行う場合、用紙は大きく次のような構成になっています。

  • バイタルサイン欄:横軸を時間とした方眼状のグラフ欄。血圧や心拍数などを一定間隔で手で読み取り、プロットしていきます。
  • 記号欄:麻酔開始、挿管、硬膜外穿刺、抜管などの節目を、あらかじめ決められた記号でその時刻に書き込みます。
  • 薬剤欄:使用した薬剤の名前・量・投与時刻を書き込みます。
  • コメント欄:記号だけでは書ききれない補足情報を文章で書きます。
  • 裏面(サマリー):患者の氏名・ID・科名・術式・術者名などの属性情報をまとめて記載します。

paperChartの画面も、同じ構成

paperChartのマニュアルには、実はこの対応関係が明記されています。たとえば画面上の「コメント欄」については、「手書きの麻酔チャートのバイタルサイン欄の右側や下側に作られている文字記載欄と同じようなもの」と説明されています。また、印刷時に出力される「サマリーページ」も、「手書きチャートの裏面に相当」するものと位置づけられています。

つまりpaperChartの画面は、

  • バイタルサイン欄 → モニタ連携で自動プロット
  • 記号欄 → ボタン操作で記号を入力
  • 薬剤欄 → 薬剤メニューから選択して入力
  • コメント欄 → 記号に付随するコメントや薬剤欄に書ききれなかった薬剤合計を自動的に集約表示するエリアとして存在
  • サマリーページ → 裏面に相当する患者属性のまとめ

というように、紙の構成をそのままデジタル化した作りになっています。

なぜ「同じレイアウト」になったのか

これは単なる偶然ではなく、意図的な設計だと考えられます。何十年も紙のチャートを読み書きしてきた麻酔科医や看護師にとって、画面がまったく違うレイアウトになってしまうと、操作を一から覚え直す必要が生じ、現場の混乱や抵抗感につながりかねません。

背景には、paperChartが麻酔科医であった越川先生ご自身の手によって開発されたソフトウェアである、という事情もあるようです。ご自身が現場で紙のチャートを使い続けてこられたからこそ、電子化にあたっても使い方や考え方を大きく変えずに済むレイアウトが選ばれたのではないかと考えられます。

「見慣れた紙のあの位置に、あの情報がある」という感覚をそのまま保ちながら、手作業だった部分(バイタルサインの読み取り・プロット、患者情報の転記など)だけを自動化する。これが、paperChartが長年の紙運用からの移行のハードルを下げている理由のひとつです。

まとめ

電子化というと、まったく新しい操作体系を覚え直すイメージを持たれがちです。しかしpaperChartは、紙の麻酔チャートで培われてきた「見方」「記入の考え方」をそのまま画面に引き継ぎつつ、手間のかかる作業だけを自動化する設計になっています。「電子化=別物になる」ではなく「電子化=同じやり方を、ラクにできるようにする」という点は、導入をご検討の際にぜひ知っておいていただきたいポイントです。


本記事はpaperChart(自動麻酔記録ソフトウェア)の機能・設計に関するご紹介記事です。

この記事を書いた人

サイトウ ナナ
サイトウ ナナ
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・paperChart導入支援サポート
・コワーキングスペース運営
・ダンススクールのウェブ担当
・軍歴調査とレポート作成
・歴史調査とフィールドワーク
・バイブコーディングによるツール作成
・占い