JSA麻酔台帳への「新規項目」連携、実装前に必ず確認すべきこと

こんなお問い合わせが届きました
「施設独自の分類項目を新しく入力画面に追加したので、JSA麻酔台帳の方にもこのデータを連携できるようにしてほしいのですが」
paperChartの入力画面に、これまで存在しなかった項目を新しく追加し、それをJSA麻酔台帳側にも送信したい、というご依頼です。一見、これまで紹介してきた「反映されない」系のTips(性別や局所麻酔など)と同じ話に見えるのですが、実はこのケースは原因の性質がまったく違うため、対応の仕方も変える必要があります。
「反映されない」には2つのパターンがある
JSA麻酔台帳へのデータ連携で「特定の項目が転送されない」というご相談は、突き詰めると次の2パターンに分かれます。
パターンA:もともと実装済みだが、どこかで整合性が崩れている
calcnf.txtの変換式が入力メニューの実際の表記とズレていたり、画面構成が変わったのに計算式が古い項目名を参照したままだったり――という「バグ修正」に近いパターンです。この場合、jsatmplt.txt(JSA転送用のXMLテンプレート)には、送るべきタグがすでに用意されています。原因を1つずつ切り分けていけば、必ずどこかに「本来つながるはずだった配線が外れている箇所」が見つかります。
パターンB:そもそも実装されたことがない(新規実装)
一方、今回のように「新しく作った入力項目をJSA連携させたい」という依頼は、jsatmplt.txtを全文検索しても、対応するXMLタグがそもそも存在しません。つまり、JSA側にこのデータを送るための「配線」自体を、これから新しく引く必要があります。
この2つは似ているようで、必要な調査は別物です。
新規実装の前に確認すべきこと
パターンBに該当する依頼が来たときは、実装に着手する前に、必ず以下を確認するようにしています。
- JSA側が公開しているI/F仕様書一式(「自動麻酔記録装置等IF機能仕様書」「IF_XML定義書」「IF_XMLサンプル」)に、該当項目のXMLタグ名とコード体系が定義されていないか
- なければ、JSA麻酔台帳のヘルプデスクや、病院側のJSA担当者に、正式な送信仕様を確認してもらう
仕様さえ確定すれば、実装自体はシンプルです。calcnf.txtに変換用の計算式を1つ追加し、jsatmplt.txtに対応するXMLタグを1つ追加するだけで完了します。逆に言えば、実装の手間よりも「仕様確認」の方が本質的に重要な作業、ということです。
こちらから、マニュアルや仕様書の最新版がダウンロードできます。
補足・注意点
- I/F仕様書は改版されていることがあるため(「R.16」のように版数が振られています)、手元の資料が最新版かどうかも合わせて確認すると安心です。
- 仕様書に載っている項目名(例:
name)と、実際のサンプルXMLで使われているタグ名(例:n)が食い違っていることもあります。実際に動いているサンプルXMLの記述を優先的に確認してみてください。 - 「新規実装」であることに気づかず、既存の
calcnf.txtの不具合だと思い込んで調査を始めると、いつまでも原因が見つからず時間を浪費してしまいます。依頼を受けた時点で、まずjsatmplt.txtにそのものズバリのタグが存在するかどうかを確認し、パターンA・Bどちらに該当するかを最初に切り分けるのがおすすめです。
まとめ
| 項目 | パターンA(不具合) | パターンB(新規実装) |
|---|---|---|
| jsatmplt.txtの状態 | 対応タグは既に存在する | 対応タグが存在しない |
| 原因の性質 | 参照項目のズレ・整合性崩れ | そもそも未実装 |
| 主な調査対象 | calcnf.txt/dmgcnf.txt/入力メニューの表記 | JSA提供のI/F仕様書一式 |
| 着手前にすべきこと | 参照名の突き合わせ | JSA側の正式仕様の確認 |
本記事はpaperChart(自動麻酔記録ソフトウェア)の設定・運用に関するTips情報です。
