薬剤投与欄の数字が黒・赤・青で表示されるのはなぜ?

こんなお問い合わせが届きました
「薬剤投与を登録すると、プロット画面に数字が表示されますが、黒字だったり赤字だったり、青い字だったりいろいろあります。この色にはどういう意味があるのでしょうか?」
麻酔記録の薬剤投与欄には、投与した薬剤の量が数字で表示されます。同じ欄の中でも数字の色が違って見えるため、「色にどんな意味があるのだろう」と気になった方も多いのではないでしょうか。今回はこの文字色の意味と、その仕組みについてご説明します。

背景説明:色は「単位の種類」で自動的に決まる
paperChartの薬剤投与欄に表示される数字の色は、投与量がどの単位で表示されているかによって、あらかじめ次の3種類に決められています。
- 青:単位が l(リットル)や ml など、体積(volume)を表す場合
- 黒:単位が g、mg、mEq、mol など、薬剤量そのものを表す場合
- 赤:単位が μg/kg/min や mg/kg など、患者の体重あたりの薬剤量を表す場合
あくまで今どの単位で表示されているかを一目で区別するための表示です。同じ薬剤・同じ投与量であっても、μg/minで表示するかμg/kg/minで表示するかを切り替えると、それに応じて数字の色も黒⇔赤で変わります。
なお、これとは別に、薬剤欄の右端に表示される「投与量合計」の数字にも色分けがあります。こちらは単位ではなく、値が確定しているかどうかによる色分けで、
- 黒:確定値(持続投与や点滴がきちんと終了している)
- 赤:暫定値(持続投与や点滴の残量が未記録など、まだ終了していない)
という意味を持ちます。合計欄の赤字は「まだ終わっていないので数値が確定していません」というサインなので、こちらは投与欄本体の色分けとは区別して理解しておく必要があります。
解決策:設定ファイルでの対応箇所
これらの色は iocnf.txt の以下の項目で設定されています。
| 項目名 | 内容 |
|---|---|
volume_color | 体積単位(l、mlなど)のときの文字色 |
dosis_color | 薬剤量単位(g、mgなど)のときの文字色 |
weight_color | 体重あたりの単位(mg/kg、μg/kg/minなど)のときの文字色 |
sum_color | 合計欄・確定値のときの文字色 |
sum_color2 | 合計欄・暫定値のときの文字色 |
色の指定はRGB値(0〜255)で行います。たとえば weight_color = 255 0 0 ; と書けば赤になります。施設によって見やすい配色に変更することも可能です。
持続投与を途中で確定値にするには
「持続投与中だが、この時点で一旦確定値にしたい」という場合は、その持続投与を停止(終了)させる操作を行います。方法は2通りあります。
方法1:投与量をゼロにする
矢印線(持続投与中を示す線)の途中でマウスボタンを押すと、線の一部が四角形に変わります。そのままボタンを離すと投与量変更ダイアログが表示されるので、流量を0にして確定します。
方法2:矢印線をドラッグして停止
- 矢印線の途中でマウスボタンを押す
- そのまま左右にドラッグする
- 止めたい時刻のところでマウスボタンを離す(「」」の停止記号が付く)
これでその時刻をもって投与が終了したことになり、そこまでの合計が確定値(黒字)として扱われます。
なお、「やっぱり続行中に戻したい」という場合は、この停止記号「」」を現在時刻より右側へ、カーソルが「》」に変わるまでドラッグすれば、元の継続中の矢印線に戻せます。
点滴投与の場合は、矢印線の途中をクリックして表示される残量指定ダイアログで「終了残量」を入力することで確定値になります。
補足・注意点
- 単回投与の合計は必ず確定値として扱われるため、赤(暫定値)で表示されることはありません。
- 点滴投与で残量が未記録の場合や、吸引量が未終了の場合も、合計は赤(暫定値)表示になります。
まとめ
| 表示箇所 | 色 | 意味 |
|---|---|---|
| 投与欄の数字 | 青 | 単位が体積(l、mlなど) |
| 投与欄の数字 | 黒 | 単位が薬剤量そのもの(g、mgなど) |
| 投与欄の数字 | 赤 | 単位が体重あたりの薬剤量(mg/kgなど) |
| 合計欄の数字 | 黒 | 確定値(投与終了済み) |
| 合計欄の数字 | 赤 | 暫定値(投与継続中・未確定) |
本記事はpaperChart(自動麻酔記録ソフトウェア)の設定・運用に関するTips情報です。
