チャート印刷の時間幅を変更するには

こんなお問い合わせが届きました
「印刷時のレイアウトについて質問です。チャート印刷の際に、プロットされるデータ欄を任意の時間幅にするにはどのような設定にすればよいですか?現在はデフォルトで1時間幅になっています。これを5分幅に変更したいのですが…」
麻酔記録の印刷時間幅を変更したい、というご質問です。「設定ファイルのどこを触ればいいのかわからない」とお困りの方のために、今回は実際の設定ファイルを追いながら手順をご説明します。
背景説明:印刷の時間幅はどこで決まっているのか
paperChartの印刷レイアウトは、複数の設定ファイルが連携して動作しています。今回のテーマに関係するファイルは以下の3つです。
| ファイル名 | 役割 |
|---|---|
dspcnf.txt | 画面表示の基本設定。chart_span_seconds などの時間幅パラメータを含む |
parcnf.txt | abscissa(横軸)の定義。時間幅のバリエーションを番号で定義している |
dircnf.txt | 印刷・プレビュー・ビットマップ出力の設定。どの abscissa 番号を使うかをここで指定している |
混乱しやすいポイントとして、dspcnf.txt の chart_span_seconds は画面上のページ切れ目の表示に使われるもので、印刷の時間幅を直接制御するものではありません。 印刷の時間幅を決めているのは dircnf.txt です。
仕組みの詳細:abscissa番号とは
parcnf.txt の中には、abscissa(横軸定義)ブロックが複数定義されています。ファイル内で上から順に0番、1番、2番…と番号が割り当てられており、それぞれ異なる時間幅を持っています。
標準的な構成の例:
| 番号 | span(時間幅) |
|---|---|
| 0 | 180秒(3分) |
| 1 | 300秒(5分) |
| 2 | 600秒(10分) |
| 3 | 1800秒(30分) |
| 4 | 3600秒(1時間) |
| 5 | それ以上… |
この番号を dircnf.txt 側で指定することで、印刷時の時間幅が決まります。
解決策:dircnf.txt の番号を変更する
dircnf.txt の command ブロック内に、以下のような記述があります。
print_preview
{
trend_sheet = 印刷用 4;
...
}
print
{
trend_sheet = 印刷用 4;
...
}
bitmap
{
trend_sheet = 印刷用 4;
...
}
trend_sheet = 印刷用 4; の 末尾の数字が abscissa の番号です。上記の例では 4(1時間幅)が指定されています。
5分幅に変更する手順
print_preview・print・bitmap の3か所すべてで、番号を 4 から 1 に変更します。
trend_sheet = 印刷用 1;
変更後に KS.exe を再起動すると、印刷プレビューでチャートの1ページあたりの時間幅が5分になっていることが確認できます。
補足:dspcnf.txt の関連パラメータについて
dspcnf.txt には以下の3つのパラメータがあります(ファイルの一番下の方)。印刷とは直接関係しないものも含まれますので、混同しないようご注意ください。
| パラメータ | 単位換算の例 | 用途 |
|---|---|---|
chart_span_seconds | 300 = 5分 | 画面上のページ切れ目の時間幅表示 |
chart_step_seconds | 60 = 1分 | ページ左端の時刻を何秒刻みで整定するか |
scroll_freeze_seconds | 180 = 3分 | 過去データを閲覧後、現在時刻へ自動復帰するまでの時間 |
chart_span_seconds と chart_step_seconds はセットで設定します。5分幅表示にする場合は chart_span_seconds = 300、chart_step_seconds = 60 のように、ステップ幅がスパン幅を超えないよう整合させてください。
scroll_freeze_seconds は印刷とは無関係のパラメータです。
まとめ
| 確認・変更するファイル | 該当箇所 | 変更内容 |
|---|---|---|
parcnf.txt | abscissa ブロック(複数) | 番号と時間幅の対応を確認する(変更不要) |
dircnf.txt | print_preview / print / bitmap 内の trend_sheet | 末尾の番号を目的の abscissa 番号に変更する |
dspcnf.txt | chart_span_seconds / chart_step_seconds | 画面表示の時間幅と整合させる(印刷には直接影響しない) |
印刷の時間幅変更は dircnf.txt の数字1か所(3か所)を書き換えるだけで完了します。ただし、その数字が何を意味するかは parcnf.txt の abscissa 定義を参照しないとわからない構造になっているため、今回のように「どこを触ればいいかわからない」というお問い合わせにつながりやすいポイントです。
本記事はpaperChart(自動麻酔記録ソフトウェア)の設定・運用に関するTips情報です。
