天外伺朗(てんげしろう)…???面白かった!


古くはワークステーションの「NEWS」、比較的最近ではロボットの「AIBO」など、ソニーと言う会社が時々面白い(開発者の健康な遊び心を感じる)商品を出すことは知っていた。
また、そんなソニーが最近経営的には不調で、「行き過ぎたアメリカ流の成果主義」への批判があることも、おぼろげながら知っていた。

しかし、こうした商品の開発者であり、成果主義の批判者でもある土井利忠という人が、天外伺朗というペンネームでニューサイエンス~オカルト系の著作を出していることなど、全く知らなかった。

休日にフラリ立ち寄ったBookOffで、書名に魅かれ天外伺朗著「ここまで来た『あの世』の科学」を買った。
祥伝社のNON BOOKということもあり(失礼!)、「そのうちよっぽど暇なときに読むのにちょうどいいや!」程度の軽い気持ちだったのだが…。

まえがきのさらに前に、井深大ソニー元会長と船井総研会長の推薦文がある。
井深氏はともかく船井幸雄の推薦文を「さもありなん」と思い、心の眉毛につばをたくさんつけて読み始めたのだが…。

どうしてどうして、興味半分にオカルト本をたまに読む程度のいいかげんな認識を、根元から覆してくれる説得力のある一冊だった。

凡人は普通「あの世」を死後の世界ととらえ、三途の川だとか心地いいまばゆい光の世界だとかでイメージしている。また、子供の頃から刷り込まれてきた、悪いことしたら行くのが地獄、灼熱、血の海、閻魔様などを思い浮かべる。

天外さんの「あの世」は、超ひも理論とかいう最先端の物理学でも実証(言葉が違うかもしれない?「高い確率で論証済み」が正しい?)世界なのだという。
10の33乗分の1という微小な世界(プランク・スケールというそうだ)まで解析が進む現代の物理学では、究極的には時間も空間も存在しない仏教で言うところの「空」の場が想定されているとのこと。
また、そうした現代物理学の権威たちがそれぞれの持論を突き止めていくと、インドの哲学や気の世界、タオ自然思想、仏教などの東洋の思想に傾倒していくことなどが平易に語られる。

ここで論をやめれば、ただの現代物理学の解説書なのだろうが、天外さんは大胆にその先の仮説を提示してくれる。

「空」の場、つまり「あの世」には「この世」の全て(物質から精神、時間まで全て)がたたみ込まれていて、その正体は心理学者ユングのいう「集合的無意識」が形成する壮大なネットワークのようなものだという仮説。
そして、そんな「あの世」と有効に対話する方法のひとつに瞑想がある、など。

理屈はよく分からないが、「集合的無意識の壮大なネットワーク」には思わず首肯させられ、好奇心を強く刺激されました。
何となく小生も、死後の世界は「この世」で果たせなかった人間のさまざまな思い、想念が一杯詰まったところとイメージしてきたのでした。

そんなわけで、これまで読んだどの哲学書、宗教書よりまっとうな説得力を感じたわけですが、早速図書館に行きSF作家・瀬名秀明氏との対談本を一気に読んでしまい、夜家に帰ってすぐ次の本をネットで注文したのでした。

しばらくはまりそうな予感がします。

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