抑圧された潜在記憶が、今の自分を縛る。現実の裏側世界₌バックルームズを見て思う。
「経験」は貴重だが、過剰なインプットは考え物!?
人間を何十年もやっていると、さまざまな「経験」の蓄積が、陰に陽に今の自分を縛っているんだと思う。
何年も前の感動体験、あの時の失敗経験、恥ずかしかったこと、うまくいって小躍りしたこと…。いくたの「経験」が積み重なって今の自分の思考や行動の癖を形成しているに違いない。
もしかしたら、経験に自分が「縛られている」といったほうが真実に近いのかもしれない。
自分はこうありたい、いつもこう行動すべきである、性格は変えられないが行動は変えられるはず、など行動心理学の理屈や各種の成功法則を目にするたび、自分は「いまここ」から「あるべきその先」に向けて動かなくてはならないと考える思考癖もある。
この癖のため、ネットやメディアで興味を引く情報を見つけると、とりあえず可能な限り新たな経験を求めてそこに行き、誰かと会ってまた新たな経験を積み重ねる。
もしかしたらインプットが多すぎるのかもしれない。
それでも、今日も今週も今月も今年も、新しい刺激を求めて動き回るのだ。
パラレルワールドはあるのか?考えることはいいことだ!
この現実世界とは別に、どこかにパラレルワールドがあるのかどうか。
確信はない、あるかもしれないし、あるはずがないのかもしれない。
こういう事柄については、とりあえず常識を疑ってかかるのが自分の思考の癖かもしれない。
ラディカル(根源的に)疑えているのかどうかは、自分でもわからない。
確信はない。
そんな思考の癖は、若いころ夢中になって読んでいた先住民の民話やエピソードの記録で身についたものかもしれない。
今でもアメリカ先住民の思考に基づく人類学や和人が追い払った日本の先住民たちの民話には、強く心惹かれている。
とりあえず「根源的に相対的に物事を考えろ!」ということだ。
「脳を侵食する映像体験」というキャッチにつられ、つい観てしまったバックルームズ
「脳を侵食する映像体験」などとそそられるキャッチを出されるとつい観たくなってしまう映画バックルームズ、昨日イオンシネマ高崎で見てきました。私の年齢だと、1,300円で観られるのはうれしい。

バックルームズ|FILMS|A24×Happinet Phantom Studiosニューヨークを拠点とする気鋭の独立系映画スタジオA24の日本版公式サイト。ハピネットファントム・スタジオが運営し、A24×a24jp.com
9:30からの夜遅い上映でしたが、無事眠らずに2時間半過ごせました。
この映画、何の事前知識なく見るとおそらく理解できないと思い、下記投稿で予習をしていきました。
なるほど、この映画はXの投稿から火が付き、都市伝説化された話がベースになっているのか?フムフム…。
https://note.com/embed/notes/nd6ebac8acffb?theme=auto
https://note.com/embed/notes/n70e2a2234327?theme=auto
杉浦みな子さんによるネタバレ記事は、すごくわかりやすく秀逸です。
また土居克臣さんの考察も素晴らしい。
さすがプロ(おそらく)のライターさんの解説力、表現力、分析力はすごいと思いました。
これらを読んでなければ、たぶん映画で展開される不条理を追いかけられず、睡眠時間となっていたことでしょう。
さて実際映画を観てみると…。
流行らない家具店を営む主人公・クラークさんは、妻に「あなたはうまくいかないことを何でも人のせいにする」と言われ離婚した経験があります。
うまくいかなくてもクラークは仕事熱心で、ウイスキーをラッパ飲みしながら仕事場の家具店に寝泊まりして働いています。とりあえず、身も心も時間も家具店経営に捧げているわけです。
ある晩、酒に酔ったクラークさんが家具店の壁に触れてみると、壁に手がめりこみ、全身がするりと壁を抜け、知らない建築物の中(バックルームズ=現実の裏側世界)に舞い落ちてしまいました。
そこは壁一面が黄色く塗られ、部屋の一角に廃品となった家具が山積みにされています。クラークにとってのその場所は、どこか記憶の奥底とつながっているようです。うまくいかない家具店での経験や妻と別れるいきさつ、建築士を志望してうまくいかなかったことなど、忘れようとしている断片的な記憶たちの残骸とつながっている。
建築家志望だったクラークは、バックルームズのあちこちを歩き回り、その見取り図を描いてメアリーさん(もう一人の主人公)の心理カウンセリングを受けます。
メアリーはクラークの言っている不条理なことを、とうてい信じることはできません。
バックルームズの証明のため、クラークは2人の若い家具店の従業員を連れて部屋に入り、結局2人を行方不明(あるいは死)にしてしまい、自分もバックルームズから脱出することができなくなってしまいます。
クラークがしばらく顔を見せないので、ある晩メアリーは家具店を訪れ壁を押してみると、彼女もバックルームズに引き込まれてしまいます。
しかし、彼女が見たバックルームズはクラークが見たものとは違います。
そこから先、バックルームズで彼女が体験することは、普通のホラー映画のような出来事です。
バックルームズとは何か?
それは抑圧され、重層的に畳み込まれた潜在記憶の残骸。
入る人によりそれぞれ違っている。経験が違うように。
私たちの記憶には何年たっても鮮明に思い出せるものと、忘れたいと思っていていつの間にか想起できなくなったものがあります。
前者を「クオリア」と言ったりしますが、おそらく後者が、「抑圧され潜在化されてしまった記憶」(潜在記憶)というものなのでしょうか。
この潜在記憶が積み重なって、今の自分の無意識の行動や思考に影響を与えていて、時にはそれがストレズや病いの引き金を弾くことだってある。
現実の裏側世界であるバックルームズは、抑圧された潜在記憶で成り立っているアナザーワールドなのです。
じゃ、もしお前がバックルームズに入ったらどんな景色が見えるのか?
想像してみろよ、と言われそうです。
さらに、抑圧された記憶を解放してあげることによって、何か前向きな何かが見えてくるんじゃないか?
前向きなカウンセラーにはそんなことを言われそうですが、現実にはとても難しいことです。
しかし、これだけは言えそうです。
誰にも抑圧された潜在記憶が蓄積されている場所はあり(脳や身体のどこかに)、その世界と現実世界を行き来する特殊能力を持った人はいるかもしれない、と。
この記事を書いた人

最新の投稿
よしなし事2026年9月28日抑圧された潜在記憶が、今の自分を縛る。現実の裏側世界₌バックルームズを見て思う。
よしなし事2026年9月20日AIは、そろそろこう思っているのではないか。「人間って意外とバカだよね」と。
よしなし事2026年9月5日今年も行ってきましたおわら風の盆。奇跡的に雨があがり、街流しを楽しめました。満足。
よしなし事2026年8月29日今年も行きます!おわら風の盆。今年は最終日(9/3)です。
